にっぽんインスト部

にっぽんインスト部

インストをもりあげる。

サカナクションのインストなんていうニッチすぎる名曲たち。

 

 こんにちは、もりたです。

 

 

魚図鑑

魚図鑑

 

 

 

 遂に発売しましたね、魚図鑑。10周年を記念して発売されたサカナクション初のベストアルバム。てっきり人気なシングルばかりのよくある奴かと思いきや、涙ディライトやら夜の東側やらライトダンスやらマイナーな曲も入っています。仮面の街がリストに入っているのを見たときは驚きました。蓮の花が入ってないのは少し残念です。そんな感じでとりあえず一通り聴いてみたんですが、1つ疑問が生まれました。

 

「あれ、インスト曲入ってなくね?」

 

 サカナクションのアルバムといえば、インストじゃないですか。

 

 だいたいのアルバムには1匹ひっそりと潜んでいるんですが、今回ベストアルバム池にはどこを掬ってもインスト魚がいません。(2018/4/25追記:何を思ったかINORIを見落としていました)

 というよりも、みなさんサカナクションのインストってしっかり聴いたことありますか。もしかして毎回楽しみにしているのって僕だけなんですか。そんなサカナクションのインストを聴いたことがない皆さんに是非とも今回は紹介しとう思っております。

 

 

 21.1

 

21.1

21.1

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 サカナクションのアルバム4作目「kikUUiki」に収録されているインスト。海水と淡水が入り混じる「汽水域」を文字ったタイトル、それを見事にシンプルに表現したアートワーク。そういう観点からすれば完成されているアルバム。その6曲目に潜んでいるインストのお魚さんこそが21.1です。これは本当に大事なことなんですが5曲目であるKleeからの流れで聴いてください。「わかるわ~」って人は僕と仲良くしてください。Kleeがかなりロック寄りなんですが、そこからの21.1へと移り変わるところがすごくよい。タイトルが海水と淡水が入り混じる「汽水域」を文字った「kikUUiki」であることからわかるように、この時期の彼らってクラブミュージックとロックをごちゃごちゃに混ぜて、綺麗なサカナクション色に仕上げているんですよね。一番好きなインスト。

 

 

 paradise of sunny

 

  その「kikUUiki」のボーナストラックに収録されているのがparadise of sunny。これだけは聴いたことがなくて、TSUTAYA行って借りてきたんですがすごく良かった。1つしか借りてないのに350円したけど。YES NOの笛の音がリズムを刻み、後はめちゃくちゃなリズムで他の音が重なっていくんですが、終わりに近づくにつれてそれらが綺麗に混ざり合っていくんですよ。アルバムの終わり、という感覚がすごくわかりやすい。単体で聴くよりは、アルバムを最初から最後まで聴いてから聴いてほしい。まさしくボーナストラックと言える代物。

 

 

 minnanouta

  

minnanouta

minnanouta

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 彼らを人気を大いに引き上げた3作目「シンシロ」に収録されているインスト。地元の北海道から上京してきた彼らの最初の作品。Ame(B)、ネイティブダンサー、ライトダンス、涙ディライト、アドベンチャーなどの名曲が盛りだくさん。シンシロは世界観は統一されているけれど、各曲各曲持ってるイメージは違う曲たちが集合しているようなアルバム。曇天に笑うの主題歌は陽炎よりライトダンスのが良くない?いやめちゃくちゃ陽炎好きだけど。そんな「シンシロ」に5曲目として潜んでいるインストお魚さんこそが「minnanouta」強烈なエレクトロで最初は面食らうけれど、だんだんそれが気持ちよくなってくるスルメ曲くん。3分経ってからが本番。しっかりしっとりゆっくり慣らされてしまった脳と耳を一気に壊してくれる終盤の曲調がたまらない。

 

 

  montage

  

montage

montage

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 アルバムに潜んでいるものばかりだと思っていたら、シングルにて釣り上げられたインスト魚。シングル「ルーキー」に収録されているインスト。と思っていたら、「月の波形」にも捕獲されていたんですね。序盤の厳かな雰囲気からは思いつかないようなフューチャー感溢れる1曲となっている。近未来のアラートみたいなラスト。montageが様々なものを組み合わせて、合成するという意味であるように多種多様な音が1つになって、この曲を形成している。この記事調べているときに発見されたんですが、他のインスト魚と比べると毛並みが少し違う気がする。

 

 

 DocumetaRy

 

DocumentaRy

DocumentaRy

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 5作目「DocumentaLy」に収録されているインストお魚。アイデンティティ『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』などのキャッチーな曲調が多いなかでエンドレス、仮面の街のような人の心を深く突くような歌詞が印象的な曲も見られるアルバム。サカナクションの独自の音楽を進化させつつも、冒頭のLRが指し示すような相反する2つが1つのアルバムに存在している。そんなアルバムの7曲目に隠れるお魚こと、DocumetaRyはまさしくサカナクションの嘘ではない、もう1つのドキュメンタリーを映し出してくれている。ポップでもロックでもない、サカナクションを。

 

 

 マレーシア32

  

マレーシア32

マレーシア32

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 2作目のアルバム「NIGHT FISHING」は夜釣りというタイトルに相応しく、夜をイメージとした音楽群。かと言ってナイトフィッシングイズグッドのような落ち着いた曲調ばかりではなく、もどかしくなる夜、言いようもない不安にあふれた夜に聴きたくなるような曲たちも多い。どこか沈んだ気分を払拭してくれるような感覚を与えてくれる。そんな曲たちに挟まれてひっそり潜んでいるのがマレーシア32。5つ目の魚。エレクトロな曲調なのに、どこか優しくて心地よくなる1曲。まどろみながら聴いていたい。

 

 

 INORI

 

INORI

INORI

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 そのほとんどが山口一郎さんの自宅にて収録されたという、6作目のアルバム「sakanaction」自身の名前が冠されたことに相応しく、まさしくサカナクションの代表作と呼べるようなアルバム。特にミュージックはサカナクションの完成形を思わせるような最高傑作であり、バンドサウンドとダンスミュージックの美しいまでの調和、オーケストラのようなその曲構成は「目が空く藍色」で山口一郎が挑戦していたことの完璧な答えであり、最高到達点ではないだろうか。すみません、ミュージックの話になると長くなります。そんなミュージックの前に潜むお魚こそ、INORIです。

 

 ロックとダンスミュージックの調和を、サカナクションの音楽と呼ぶのであれば、そこからは大きく離れたところに着地したのがこのINORI。AOKI takamasaとコラボして、作曲されたこの作品はダンスミュージックが色濃く残っている。しかし、サカナクションらしさが消えたかといえばそういうわけではなく、多くのリスナーたちが求める彼ららしさとはまた対極にあるサカナクションらしさがそこにある。気がする。

 

 

 ストラクチャー

 

ストラクチャー

ストラクチャー

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 いい。先ほどの「sakanaction」に潜んでいるもう1匹のインスト魚こそがストラクチャー。INORIとはまた対岸にいるような落ち着いた曲調。アコースティックギターの旋律を基本的な旋律とし、様々な音がその上に乗っかって音楽を表現している。わかりやすく、INORIと比べれば聴きやすいインスト。というか、全部のインスト曲の中でも一番聴きやすい入りやすい曲だと思います。このタイミングで紹介するのはミス。

 

 いかがでしたでしょうか。サカナクションのインストなんていうニッチすぎる名曲たち。忠告しておくと、このお試しで聴いた気になってはいけません。お試しじゃ魅力の半分も伝わってないはず。単体で聴くだけでも名曲揃いですが、そもそもアルバムの中盤や最後に聴くからこそその価値がある気がします。

 

  え?インスト曲のためだけにアルバム聴くのはちょっとって?

 

 そんなあなたに、サカナクション10年の集大成である魚図鑑が発売中ですよ。

 

魚図鑑

魚図鑑

 

 

 これで、サカナクションに1回どっぷりはまってみてください。

 

 こちらからは以上です。

 ありがとうございました。